予防歯科

歯の健康状態を維持するために

そもそも歯医者は「痛くなってから通う」や、「異常があったら診てもらう」という考えの方が多いですが、

悪くなってから治療をするのではなく、健康な状態をどう維持していくのかが歯の健康にとって大切です。

いつまでも自分自身の歯で美味しく楽しく食事をしていただけるように、サポートさせていただきます。

自分の歯で健康に過ごすために

歯を失う原因

痛くなってから歯医者に通うでは遅いのか?

歯は本来、年齢を重ねる事で失っていくというものではありません。

歯を失うほとんどの原因は、虫歯と歯周病で年齢は一切関係ありません。つまり、虫歯と歯周病をあらかじめ予防することができれば、健康的な歯を長く維持することはできるのです。

予防歯科とは歯に異常が出たり、痛みが生じてから歯医者に通って治療をすることではなく、異常が生じる前から定期的に歯科検診を受けて、虫歯や歯周病を予防する事です。 歯医者での定期的な検診と日々の口腔ケアで歯の健康を維持することで、生涯にわたって自分自身の歯で噛めるようになります。

また、予防歯科は気になっているが、痛みが現れていない状態で費用を払うことをためらう人も多くいらっしゃるかと思います。しかし、歯のトラブルは進行が見えにくく、気がついた時には状況が悪化していることがよくあります。進行した虫歯や歯周病の治療には、毎月何度もの通院が必要となり、結果的には費用もかさむことになります。一方で、予防歯科による定期的なケアは、3ヶ月~半年に1回の診察で済むことが多く、長期的に見れば費用の面でもメリットがあります。

歯ブラシ

予防先進国との予防比較

スウェーデン

予防先進国の予防歯科

大人の歯の本数は親知らずを含めると32本、全ての親知らずを抜いた場合でも28本です。予防先進国と言われている国スウェーデンでは、70歳時点での平均残存歯数は21本と言われています。

日本では、「痛みが出たり、歯に異常が出たら歯医者に通って治療を受ける」という考えが多いですが、 予防先進国では「痛くなる前から歯医者に通う」という予防の考えが根付いているため、年齢を重ねても健康的な歯を維持している方が多くなっています。

効果的な予防歯科の取り組み

女性

【プロフェッショナルケア】と【セルフケア】

予防歯科は、歯科医師や歯科衛生士が行う「プロフェッショナルケア」と、患者様自身が自宅で毎日行う「セルフケア」の2種類に分かれます。

定期的に歯医者に通っているから安心、毎日しっかりと歯磨きをしているから大丈夫ということではなく、歯医者と自宅の両方で正しいケアを継続して行うことで、予防歯科の効果が大きく発揮されます。患者様自身の歯をより効果的に健康な状態で維持するためには、2つのケアが欠かせません。

当院では子どもの予防歯科にも力を入れておりますので、お子さまの歯の予防に関してもお気軽にご相談ください。

歯医者で行うプロフェッショナルケア

PMTCとは何か?

PMTCとは、専門家による歯のクリーニング方法の一つです。歯科医師や歯科衛生士が、専用の器具を使って歯垢や歯石を除去することで、歯の清潔さを保ちます。自宅での歯磨きでは落としきれない汚れも、PMTCでしっかりと取り除くことができます。PMTCのクリーニング方法は、主に以下の2つがあります。

施術する女性

超音波スケーラー


超音波スケーラーは、振動数が高い超音波を利用して歯石を削り取る器具です。歯石は硬いため、歯ブラシや歯間ブラシなどを使用した自宅での歯磨きでは取り切れない場合があります。超音波スケーラーは、歯石を効率的かつ安全に除去することができます。

エアフロー


エアフローは、高速で水と粉を混ぜた噴射装置を使って歯垢を除去する器具です。歯垢には、歯ブラシで取り切れない着色汚れも含まれていますが、エアフローを使用することでこれらも取り除くことができます。また、エアフローには、歯を白くする効果もあります。

PMTCのメリットとは?

PMTCには、以下のようなメリットがあります。

口腔内を清潔に保てる


歯の表面や歯間の汚れを効率的に取り除くことができるため、口腔内の清潔を維持することができます。

口臭の予防になる


口臭の原因の多くは、歯垢や歯石によって生じる細菌の繁殖です。PMTCによってこれらの汚れを除去することで、口臭の予防につながります。

虫歯や歯周病の予防になる


歯垢や歯石が放置されると、歯周病や虫歯の原因となります。PMTCによってこれらを取り除くことで、予防につながります。

美しい歯を保つことができる


PMTCによって歯垢や歯石を取り除くことで、歯の黄ばみや着色汚れも除去することができます。美しい歯を保つことができます。

PMTCの受け方と頻度

PMTCの頻度は、個人差がありますが、1年に1回から半年に1回程度が一般的です。歯垢や歯石の量や、歯並びなどによって、受ける頻度が異なる場合もあります。歯科医師や歯科衛生士に相談して、適切な頻度を決めましょう。

PMTCの流れ

①受付


歯科医院に到着し、受付で受付票をもらい、予約時間になるまで待ちます。

受付

②診査


診療室に案内され、まずは口腔内の診査が行われます。虫歯や歯周病の有無、適切な歯磨きが行われているか、歯磨き時に見落とされがちな部分など、さまざまな観点から詳細に調べます。定期的な検診を通じて、もし口内に問題が見つかった場合には、すぐに治療を行うことができるようになります。早期に問題を見つけ出すことで、虫歯や歯周病が悪化するのを防ぎ、治療期間を短くするなど、多くのメリットがあります。

部分矯正

③歯石除去


歯科医師や歯科衛生士が、超音波スケーラーやエアフローなどの器具を使って、歯垢や歯石を取り除きます。超音波スケーラーは、高周波の振動で歯垢や歯石を取り除く器具で、エアフローは、水と風の力で歯垢を取り除く器具です。これらの器具を使って、日々のブラッシングでは落とし切れない、歯の表面や歯と歯の間などにたまった歯垢や歯石を取り除きます。

歯のクリーニングをする女性

④磨き


歯石を取り除いた後は、歯の表面を磨きます。歯ブラシでは届きにくい部分や、汚れが残っている部分を、ポリッシャーという器具で磨きます。磨き粉を使って、歯の表面をなめらかにし、歯のツヤを出します。

⑤すすぎ


PMTCが終わったら、口をすすいで、歯垢や歯石、磨き粉などをすすぎます。

⑥アフターケアの説明


PMTCが終わった後に、歯科医師や歯科衛生士から、毎日自宅で効果的なセルフケアができるように、適切な歯磨き方法や、歯周病の予防法などについてのアフターケアの説明があります。アフターケアをしっかりと行うことで、PMTCの効果を長く維持することができます。

ブラッシング指導

歯磨き


「毎日しっかりと歯磨きをしているから、歯はきれいだ」、「虫歯はないだろう」と思っていても、実際には磨き残しがあります。また、必要以上に力を入れてゴシゴシ歯を磨いてしまうと、歯や歯茎を傷めてしまう可能性もあります。患者様に適した歯ブラシや歯磨きの仕方などを丁寧に指導させて頂きますので、それに従って毎日効果的な口腔ケアを自宅で行っていきましょう。

歯を磨く女性

【歯磨き剤】

歯磨き粉

フッ素は歯面を強化したり、虫歯の発生と進行を防ぐ働きを持ちます。そのフッ素を含む歯磨き剤を使用し、効果的な歯磨きを行いましょう。

【マウスウォッシュジェル】

マウスウォッシュジェル

寝ている間は細菌が口内で繁殖しやすい状態です。寝る前にマウスウォッシュやフッ素ジェルを使用することで殺菌をしましょう。

【歯間ブラシ・フロス】

歯間ブラシ

デンタルフロスとは、歯と歯の隙間をきれいにするために使用される細長い糸のようなものです。歯間ブラシは、歯の間が広めの方や、ブリッジ治療を受けていてフロスが使いにくい方、フロスの使用に不慣れな方におすすめです。

歯と歯の間は、歯ブラシだけでは清掃しにくい歯垢が残りやすいエリアです。

このため、デンタルフロスや歯間ブラシを使用して、隙間の歯垢を除去することが大切です。

口腔ケアの正しい使い方については、歯科衛生士が丁寧に指導します。

予防歯科のよくある質問

プラークとは歯垢のことです。プラークが石灰化し、石のように固くなり、歯の表面にこびりついたものが歯石です。プラークも歯石もどちらも食べかすなどではなく、細菌の塊です。これらが虫歯や歯周病の原因になります。

患者様自身でのセルフケアと、定期的な歯科医院でのプロフェッショナルケアの両方をしっかりと行なってください。

3ヶ月~半年に1回は定期検診・PMTCを受けてください。

口の中がスッキリして、気持ちが良いものです。PMTC(プロフェッショナル・メカニカル・トゥース・クリーニング)では専門家が特殊な器具を用いて丁寧にお口の中をクリーニングします。歯石除去とは違い、器具が歯肉に触る時の痛みや麻酔なども必要ありません。痛くない治療を心がけておりますので、ご安心ください。

セルフケアにはどうしても限界があり、磨き残し(プラーク)は毎日溜まっていくからです。プラークは2週間で歯石になり始め、歯ブラシでは落とせなくなります。ですので3ヶ月~半年に1回歯科医院を受診し、虫歯や歯周病の原因となる磨き残しや歯石をキレイにする必要があります。

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